矢嶋との接点がないまま、年を越し、2月になった。


冬の高校サッカー大会では、日頃の努力が実を結び、準優勝。キャプテンの望月が得点王に選ばれ、サッカー部の調子はかなり上がってきていた。


ますます名が知れるようになった菜々達のサッカー部は、練習試合の申込みも増え、マネージャー同士での日程調整や打合せ等が多くなり、菜々は忙しい毎日を過ごしていた。


バレンタインが近づいてきたある日、菜々は神崎と一緒にバレンタインチョコを作ることにした。
調理室が空いていたので、モリセンを手作りチョコで説得し、特別に許可をもらって学校で作ることにした。


「よし!材料も揃ったし、さっそく作りますかぁ。」


神崎が、気合いを込めて腕まくりする。


「頑張りましょう!私、トリュフチョコの作り方、色々調べてきましたよ。」


「さっすが橋本ちゃん!仕事できるぅー!」


2人はネットの動画を見ながら、テキパキと作業を進めていった。