聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



そんな美桜に気付いていない夏樹は、そのまま言葉を続ける。


「あー、もう美桜が俺の彼女だって思っただけでたまんない。今日一日、美桜と抱き合ったまま、一緒にいてー」


夏樹のその言葉に、美桜は真っ赤になった。


「抱き合っ……!?てか、な、名前…!」


「え、彼氏から名前で呼ばれるのも嫌なの?レースちゃん、のままがよかった?」


「もう!そのあだ名、いいかげんやめてください!」


美桜が真っ赤になったまま、文句を言うが、夏樹はニヤニヤしながら笑っている。