ヴィアベルは苛立たしげに目をつり上げた。

「あんな女、こいつと一緒に食われてしまえば良い」

 助ける価値などどこにある、とヴィアベルは冷たく言い放った。
 氷のような声に、スヴェートの耳が萎れていく。
 それと同時に、パンッと風船が割れるような音がした。

 すぐ隣の部屋が、破壊される。
 ビリビリと伝わってくる音に、ペリウィンクルは恐怖を感じて身を竦ませた。

「スヴェートとリコリス様のせいで、こんなことになっているのはわかる。でもね、リコリス様が死んじゃうと、ソレル様の押し付け先がなくなっちゃうじゃない。私、ローズマリーお嬢様には自由になってもらいたいの。だから……ヴィアベル、お願い。何とかならない?」

「本当に、この後に及んで……」