妖精たちの噂や庭師仲間、それからセリやサントリナから聞いた話のほとんどがそんな感じで、ローズマリーの意地悪の成果は芳しくない。
 とはいえ、ソレルはヒロインの言い分だけを聞いてローズマリーを注意してきたあたり、徐々にヒロインエンド──つまり婚約破棄へのカウントダウンは始まっていると言える。

「う〜ん……でも、ローズマリーお嬢様。先日、ソレル殿下からミントテロについて注意されたではありませんか。少なくとも、ソレル殿下の中では、お嬢様よりヒロインの好感度の方が高まっているはずですよ」

「……それもそうね」

 言いながらも、ローズマリーは納得がいっていない様子である。
 これは、もう一つくらい一計を案じなければならないだろうか。
 ペリウィンクルは、物憂げなため息を吐いた。