しばらくして、

「…ねぇ、あれ、何…?」

前方に古びた建物が見えた。

「行ってみよう!」

乗り気な星に対して、

「ちょっと、やばいよ💦
止めようよ、あーちゃん…」

臆病な輝月。

「ちょっとだけ、ね、いいでしょ」

「あーちゃん、俺、ほんとこういうの苦手なんだってば💦」

今にも泣きそうな輝月に、星は自分の右手と輝月の左手を繋いだ。

「え、ちょっと、あーちゃん?
大胆!」

ドキドキしている輝月の左手を繋いだまま、星は何も言わず、ズンズンと前に進んだ‐。

そこはどうやら銭湯のようだが、潰れてからだいぶ経っているらしく、ボロボロの廃墟となっていた…。

「ヤバ、なんか出てきそう…」

輝月の言葉に、星の目が輝く。