一緒に食事を食べたり、一緒にドラマや映画を見たり、諒の休日に二人で出かけたりーーー。まるで本当に愛し合っている夫婦のような時間が来るたびに、萌音は思ってしまう。
(この時間が続いたらいいのに……)
この一年が終わった後、また祖父に新しいパートナーを嘘をついて紹介しようと最初は思っていた萌音だったが、諒を見ていると嘘でも他の男性の隣に並ぶなど考えられなくなっていた。
(でも、諒さんにとって私のことなんてどうでもいい存在だよね)
もうすぐ、契約が終わる日だ。諒から離婚届を差し出され、記入することを想像するだけで、萌音の食欲は落ちてしまう。
「そうだ。来週、空けといてくれないかな?」
諒に言われ、食べている途中のパスタを見ていた萌音は顔を上げる。向かい合って座っている諒は、ニコリと笑っていた。
「来週、結婚記念日でしょ?絶対に空けておいて」
「はい」
一緒に離婚届を書き、提出するためだろう。萌音は拳を握り締め、無理に笑みを浮かべながら言った。
(この時間が続いたらいいのに……)
この一年が終わった後、また祖父に新しいパートナーを嘘をついて紹介しようと最初は思っていた萌音だったが、諒を見ていると嘘でも他の男性の隣に並ぶなど考えられなくなっていた。
(でも、諒さんにとって私のことなんてどうでもいい存在だよね)
もうすぐ、契約が終わる日だ。諒から離婚届を差し出され、記入することを想像するだけで、萌音の食欲は落ちてしまう。
「そうだ。来週、空けといてくれないかな?」
諒に言われ、食べている途中のパスタを見ていた萌音は顔を上げる。向かい合って座っている諒は、ニコリと笑っていた。
「来週、結婚記念日でしょ?絶対に空けておいて」
「はい」
一緒に離婚届を書き、提出するためだろう。萌音は拳を握り締め、無理に笑みを浮かべながら言った。

