「どうぞ」
椅子を諒が引き、突然のレディーファーストにドキドキしながら萌音はお礼を言い、椅子に座る。
「いただきます」
手を合わせ、二人で食事を取る。おいしいと萌音が口にすると、諒は子どものように無邪気な笑顔を見せる。そんな諒を見て、萌音は思い出した。
(そういえば、結婚したばかりの頃は食事を二人で取ることはなかったな)
仮初の夫婦なのだからと、諒はほとんど家に帰って来ることはなかった。そのため萌音は自分一人の食事を用意して食べていたのだが、ある日、萌音が夕食を食べている途中で諒が帰って来たことがあった。
『ご飯、僕も食べていい?』
テーブルの上に置かれた肉じゃがを見て、諒は目を輝かせながら言った。たまたまその日は肉じゃがを多く作っていたため、萌音は『大丈夫ですよ』と言い、初めて夫婦二人でご飯を食べたのだ。
『おいしい!こんなにおいしい肉じゃが、食べたことがないよ!』
諒は何度もおいしいと言い、あっという間に夕食を食べ終わってしまう。それからだった。諒が家に帰って来ることが多くなった。
椅子を諒が引き、突然のレディーファーストにドキドキしながら萌音はお礼を言い、椅子に座る。
「いただきます」
手を合わせ、二人で食事を取る。おいしいと萌音が口にすると、諒は子どものように無邪気な笑顔を見せる。そんな諒を見て、萌音は思い出した。
(そういえば、結婚したばかりの頃は食事を二人で取ることはなかったな)
仮初の夫婦なのだからと、諒はほとんど家に帰って来ることはなかった。そのため萌音は自分一人の食事を用意して食べていたのだが、ある日、萌音が夕食を食べている途中で諒が帰って来たことがあった。
『ご飯、僕も食べていい?』
テーブルの上に置かれた肉じゃがを見て、諒は目を輝かせながら言った。たまたまその日は肉じゃがを多く作っていたため、萌音は『大丈夫ですよ』と言い、初めて夫婦二人でご飯を食べたのだ。
『おいしい!こんなにおいしい肉じゃが、食べたことがないよ!』
諒は何度もおいしいと言い、あっという間に夕食を食べ終わってしまう。それからだった。諒が家に帰って来ることが多くなった。

