二度目のマリッジリング

「結婚をした時、僕は色々と酷いことを言った。「一年経ったら離婚する契約」とか「一年経ったらまた新しい男をパートナーだと嘘を吐いて言え」とか。……あの時、酷いことを言ってごめんなさい。僕は本当に自分勝手だ。離婚するとか言っておきながら、萌音と過ごすうちに、「ずっと一緒にいたい」って思うようになった」

「それってーーー」

萌音が口を開くと、諒が小さな箱を取り出す。諒が箱を開けると、中にはお互いの誕生石が埋め込まれた指輪が入っている。

「好きです。僕とずっと夫婦でいてくれませんか?」

萌音の目から涙が溢れていく。その言葉がただ嬉しい。胸が苦しくなるほど高鳴っていく。それと同時に自分の気持ちにようやく気付いた。

「私も、諒さんのことが好きです。夫婦でいさせてください」

萌音がそう答えると、諒は「やった!」と大きな声で言い、レストラン内にいた人たちから拍手が上がる。そんな中、諒は萌音が嵌めている指輪を外し、新しい指輪を付けた。