(最後にいい思い出になったな……)
胸に痛みを感じながら、萌音はジワリと胸に広がった悲しみを誤魔化すために微笑みを浮かべた。
料理を食べ終えて数分、萌音と諒は何も話さないまま互いを見つめ合っていた。諒はずっと何かに緊張しているように見える。
(こんなところで「離婚してほしい」なんて、言い出しづらいよね。それとも、諒さんは私が言うのを待ってるの?)
萌音がそう考えていると、「デザートをお持ちしました」と声をかけられる。テーブルの上にはハートの形をしたケーキが置かれた。マカロンやフルーツで飾られた華やかで、可愛らしいケーキである。とても素敵なケーキなのだが、萌音はふと違和感を覚えた。
(こんな豪華なケーキ、離婚する予定の人間に贈るものなの?)
そう思いながら萌音がケーキを見ていると、「萌音」と諒に声をかけられる。顔を上げれば、頰を赤く染めた諒がいた。諒の緊張が萌音にも伝わり、胸が締め付けられていく感覚を覚える。
胸に痛みを感じながら、萌音はジワリと胸に広がった悲しみを誤魔化すために微笑みを浮かべた。
料理を食べ終えて数分、萌音と諒は何も話さないまま互いを見つめ合っていた。諒はずっと何かに緊張しているように見える。
(こんなところで「離婚してほしい」なんて、言い出しづらいよね。それとも、諒さんは私が言うのを待ってるの?)
萌音がそう考えていると、「デザートをお持ちしました」と声をかけられる。テーブルの上にはハートの形をしたケーキが置かれた。マカロンやフルーツで飾られた華やかで、可愛らしいケーキである。とても素敵なケーキなのだが、萌音はふと違和感を覚えた。
(こんな豪華なケーキ、離婚する予定の人間に贈るものなの?)
そう思いながら萌音がケーキを見ていると、「萌音」と諒に声をかけられる。顔を上げれば、頰を赤く染めた諒がいた。諒の緊張が萌音にも伝わり、胸が締め付けられていく感覚を覚える。


