「美味しかった、お料理もワインも……初めてのことだらけで楽しい(笑)」

少し酔ってきたのか顔がほんのり赤くなってくる敦美


「なぁ、またこっち帰ってくるから会ってくれる?」

「それは全然いいんだけど……私以外にもたくさん会いたい人がいるでしょ、谷口くんとか」

「うーん……そういう会いたいじゃないんだよな」


2人っきりでって事なんだよな。

「うん?」

「酔う前にさ、聞いていい?」

「いーよー(笑)」

あっ、もう酔ってるかな?

可愛いな(笑)

「彼氏はいない?」

「今ーはーいないー!」

今は?まあモテるだろうから仕方ないか

「こっちに帰ってくる時は会ってくれる?」

「いーよー!」

これ、明日覚えてんのかな

「じゃあ、上の階に行くぞ」

「うん!」


支払いをしていると下田は頭をさげていた。


「ご馳走様でしたー!」



店を出ると背中に頭が当たった。

立つと酔いが回ってきたようだ。

「下田、大丈夫?」

「ん〜ふわふわしてる」

寝そうだな……


「下田、泊まる?朝なら送っていけるけど」

「ん〜眠い、帰ろうかな」

「俺は朝まで居たいんだけどな」

「ん〜どうして?」

「酔ってる時には言わない」

「酔ってないよ、眠いだけ」