「よっしゃ!食うぞー!……って……あれ?」 階段横から、ひょっこりと顔を出して来た、茶髪でキリッとした眉の男の子と目が合った。 彼は黙ったままあたしと後方を交互に見ている。 「おーい、隆也。オマエ何ボーッとしてんだよ。早く進め!」 「あーうん、でも……」 「“でも”って!」 また1人。 今度は長身で切れ長の目の男の子が顔を出す。 彼はあたしを見て一瞬驚いた表情をした後で、後ろを振り返った。 「疾風……」