「……和華。今日がチャンスだよ」


食器を片付けようとしたあたしの横で、朱音がポツリと呟いた。


自信に満ちたその声を聞いて、慌てて振り返る。

まさか……。


「何かいい考えあるのっ?!」


あたしは持っていた食器をバンッとテーブルに置き、素早く朱音の隣へと戻る。

その間、1秒足らず。


うどんの汁がテーブルに少し跳ねたけど、まぁいいや。

誰かあとで拭いて。