結局、雪についての熱い思いをあーだこーだ言いながら、そのまま疾風が家まで送ってくれた。


「じゃあ、また」

「……うん」


見つめ合い、玄関の前で軽くキスを交わす。

これがあたしたちのバイバイの代わり。


去っていく疾風の後ろ姿を見ながら、かっこいーなんて思ったり。


完璧、ノロケだけど。


でも、そのまま中に入ろうとした時にハッとした。


……あたし、なんで普通に自分ンちに入ろうとしてんの?

今日は……今日こそは、疾風の家に行くはずだったのに!


パッと後ろを振り返ると、そこには相変わらず降り続く雪。


「……やられた」


あたしは呆然としながら、小さく呟いた。