疾風のはしゃぎっぷりは、その後もしばらく収まることはなかった。


歩道に積もった雪を両手ですくい、あたしへと見せる。


「和華ちゃん見て!ふわふわー」

「……」


疾風サン。あなた、ホントに大学生ですか?

そう突っ込みたくなったけど、疾風の笑顔を見たらどうでもよくなってしまうから不思議だ。


「ねぇ疾風。雪、そんなに好きなの?」

あたしの問いに、疾風が満面の笑みで頷く。

「うん。雪見るとね、なんだか温かくなるんだー。
オレの中で雪って温かいイメージなの」

「えー!なんで?
雪って寒いから降るのに」

「だーかーら!オレにとっては違うの!」



……疾風って。

たまーにこういう訳の分からないことを言ったりする。