目に飛び込んできた光景に、あたしはギョッとする。


え?何……。

てか、疾風、何やってんの?!


いつの間にか疾風は、あたしより10メートルほど離れた所にいた。


しかもよーく見ると、さっきの子どもと一緒に、雪の中を興奮しながら走り回っている。


それを見て、クスクス笑いながら通り過ぎる人たち。



……はい?


「ちょっ……疾風!何してんのよ」


あたしは慌てて駆け寄り、疾風のコートを掴む。


「え?だって久しぶりの雪だよ?
なんか嬉しーじゃん!!」


子どものようなその笑顔に、思わずきゅんとしてしまったあたしは、きっとどうにかしていると思う……。