行く宛てがないシャルロットがこの家で暮らすことになって、約1週間が経った。
僕の前世からの幼なじみ、ノワールの義理の兄であるリオンに叩き起された僕は、身支度を整えてからリビングへと向かう。
リビングでは僕とノワール以外の全員が起きていて、皆は机に置かれた本を見つめていた。
「メル、おはよう。叩き起してごめんね」
僕が近づくと、リオンは僕を見る。その顔にいつもの笑顔はなくて、僕は首を傾げた。
「ねぇ、何があったの?」
僕が問いかけると、僕と同じように居候しているエリカがゆっくりと話し出す。
話をまとめると、ノワールがこの家からいなくなって、代わりに机の上にあるこの本がノワールの部屋に落ちていた……らしい。
「最初は、メルにも探すのを手伝ってもらおうと思ったけど、まだ寝てたから起こすのも悪いかなって思って俺らで探したんだ。でも、やっぱり見つからないから……メルを叩き起こしたんだよ」
そう言って申し訳なさそうにするリオンに、僕は「大丈夫だよ」と微笑むと、少し考える。
……ノワールは、皆に声をかけずに家を出るような人じゃない。そんなノワールが消えて、代わりに部屋に本があったとしたら……今、ノワールがいるのは――。
僕の前世からの幼なじみ、ノワールの義理の兄であるリオンに叩き起された僕は、身支度を整えてからリビングへと向かう。
リビングでは僕とノワール以外の全員が起きていて、皆は机に置かれた本を見つめていた。
「メル、おはよう。叩き起してごめんね」
僕が近づくと、リオンは僕を見る。その顔にいつもの笑顔はなくて、僕は首を傾げた。
「ねぇ、何があったの?」
僕が問いかけると、僕と同じように居候しているエリカがゆっくりと話し出す。
話をまとめると、ノワールがこの家からいなくなって、代わりに机の上にあるこの本がノワールの部屋に落ちていた……らしい。
「最初は、メルにも探すのを手伝ってもらおうと思ったけど、まだ寝てたから起こすのも悪いかなって思って俺らで探したんだ。でも、やっぱり見つからないから……メルを叩き起こしたんだよ」
そう言って申し訳なさそうにするリオンに、僕は「大丈夫だよ」と微笑むと、少し考える。
……ノワールは、皆に声をかけずに家を出るような人じゃない。そんなノワールが消えて、代わりに部屋に本があったとしたら……今、ノワールがいるのは――。