Cherry Blossoms〜あなたに想いの花束を〜

「二色のバラなんて、珍しいですね。初めて見ました」

とても可憐なバラである。ふと、桜士は花言葉はどんなものなのだろうか気になっていく。桜士はスマホを取り出した。

「花言葉、どんなものなのか調べてみますね」

「こんなに可愛い花ですから、きっと「感謝」とか「初恋」とかじゃないですか?」

花を見つめながら一花は予想を口にする。花言葉を検索した桜士はフッと口角を上げた。こんなにも可憐で綺麗な花だというのにーーー。

「戦い」

桜士がそう口にすると、バラを見ていた一花は「えっ?」と言いながら顔を上げる。桜士は一花を見てもう一度言った。

「こんなに可憐なバラなのに、花言葉は「戦い」だそうです」

「こんなに可憐で綺麗なのに、勇ましい花言葉ですね」

一花はそう言うとまたバラを見つめる。その横顔を見つめながら、桜士は「このバラ、四月一日先生にぴったりですね」と一花に聞こえないように心の中で呟く。