桜士の言葉に、薫は目を左右に落ち着きなく動かす。だがその口はブツブツと瞳の悪く言う言葉が紡がれていた。
「でも、女の体に傷なんて嫁の貰い手がなくなるし……。胸がなかったら母乳だってあげられないし、マイナスなことばかりじゃないか。娘の胸がないなんて、恥ずかしいことだ」
「お父さん!!」
瞳が大声を上げる。桜士は「この男はダメだ」と呆れ返ってしまった。何を言ってもきっと無駄なのだろう。言葉をかけるだけ瞳が傷付くだけだろう、そう思い桜士が口を閉ざそうと決めたその時だった。
部屋の襖が勢いよく開く。桜士だけでなく、全員が開かれた襖の方を見た。桜士の目が見開かれる。
「四月一日先生……!」
ウェディングドレスを思わせる白の綺麗なワンピースを着た一花がそこには立っていた。真剣な顔をして泣き崩れる瞳を見ている。一花は瞳に近付き、彼女を抱き締めた。
「私は医師の四月一日一花と言います。突然すみません。話が聞こえてしまって、つい我慢ができませんでした」
「でも、女の体に傷なんて嫁の貰い手がなくなるし……。胸がなかったら母乳だってあげられないし、マイナスなことばかりじゃないか。娘の胸がないなんて、恥ずかしいことだ」
「お父さん!!」
瞳が大声を上げる。桜士は「この男はダメだ」と呆れ返ってしまった。何を言ってもきっと無駄なのだろう。言葉をかけるだけ瞳が傷付くだけだろう、そう思い桜士が口を閉ざそうと決めたその時だった。
部屋の襖が勢いよく開く。桜士だけでなく、全員が開かれた襖の方を見た。桜士の目が見開かれる。
「四月一日先生……!」
ウェディングドレスを思わせる白の綺麗なワンピースを着た一花がそこには立っていた。真剣な顔をして泣き崩れる瞳を見ている。一花は瞳に近付き、彼女を抱き締めた。
「私は医師の四月一日一花と言います。突然すみません。話が聞こえてしまって、つい我慢ができませんでした」

