どうぞ、と助手席のドアを開けてもらったその車はキャンピングカーだった。
ブラウンと白のツートンカラーで、車の正面には海外メーカーのロゴがある。
「そんなに珍しい?」
「……はい」
「あとで後ろもゆっくり見てみたらいいよ。一応キッチンなんかもあるし」
きょとんとしつつも促されるがままに助手席のシートに腰を下ろす。それを見届けた彼が運転席へ乗り込み、颯爽と車を発進させた。
「俺がひとりで使うことが多いからデザイン重視で選んだんだ」
ひと口にキャンピングカーと言っても、今はさまざまな形態があるらしい。
“バスコン”というバスのような大型のものや、“軽キャンパー”と呼ばれる軽自動車ベースの小型のものまで。
これはオーソドックスなタイプで、“キャブコン”というのだと彼が教えてくれた。
そんな情報を聞いているうちに、車は高速道路へ進入していく。
「この車でソロキャンプに行かれてたんですね」
「え? よく知ってるね」
「以前に辰巳さんに聞いたんです」
優雅に運転する彼の横顔をうかがい見ると、私の話に納得するように小さく笑っていた。
いつもは視線が合うと恥ずかしくて無意識に逸らせてしまっていたけれど、運転中の今は綺麗な横顔を見放題だとふと気付く。
シャープな輪郭やスッと通った鼻筋が美しくて、目が離せなくなった。
「そんなに見つめられたら穴が開きそう」
前を向いたまま突然そう言われ、咄嗟に「すみません」と謝罪の言葉を口にする。
弁明のしようがなくて、今の私にはそっとうつむくことしかできない。
「どうしてわかったんですか?」
「気配。視線って感じるだろ?」
ブラウンと白のツートンカラーで、車の正面には海外メーカーのロゴがある。
「そんなに珍しい?」
「……はい」
「あとで後ろもゆっくり見てみたらいいよ。一応キッチンなんかもあるし」
きょとんとしつつも促されるがままに助手席のシートに腰を下ろす。それを見届けた彼が運転席へ乗り込み、颯爽と車を発進させた。
「俺がひとりで使うことが多いからデザイン重視で選んだんだ」
ひと口にキャンピングカーと言っても、今はさまざまな形態があるらしい。
“バスコン”というバスのような大型のものや、“軽キャンパー”と呼ばれる軽自動車ベースの小型のものまで。
これはオーソドックスなタイプで、“キャブコン”というのだと彼が教えてくれた。
そんな情報を聞いているうちに、車は高速道路へ進入していく。
「この車でソロキャンプに行かれてたんですね」
「え? よく知ってるね」
「以前に辰巳さんに聞いたんです」
優雅に運転する彼の横顔をうかがい見ると、私の話に納得するように小さく笑っていた。
いつもは視線が合うと恥ずかしくて無意識に逸らせてしまっていたけれど、運転中の今は綺麗な横顔を見放題だとふと気付く。
シャープな輪郭やスッと通った鼻筋が美しくて、目が離せなくなった。
「そんなに見つめられたら穴が開きそう」
前を向いたまま突然そう言われ、咄嗟に「すみません」と謝罪の言葉を口にする。
弁明のしようがなくて、今の私にはそっとうつむくことしかできない。
「どうしてわかったんですか?」
「気配。視線って感じるだろ?」



