彼女は俺のキャンピングカーを目にするなり、物珍しそうな視線を注いでいた。
その姿がまたこの上なくかわいくて、それだけでもこの車を買ってよかったと思える。
話しながら目的地に向けて高速道路を進んでいると、助手席に座る彼女がこちらをじっと凝視している気配を感じた。
男として俺を意識しているのかもしれない……そう考えたら当然心が躍った。
「私、自然を満喫するのが大好きなんです」
「俺も」
ミルで豆を挽いて香りのいいコーヒーを振る舞うと、彼女は屈託のない明るい笑みを見せた。
堤防のベンチに座っていたときと明らかに表情が違う。少しは元気になってくれたようだ。
彼女と好きなことを共有できて心からうれしく思う自分がいる。だから今日はただ出かけたというのではなく、俺の中ではふたりの“初デート”だ。
今日は俺ひとりで出かけるつもりだったから準備が整っていないけれど、釣りやバーベキューだけでなく、彼女が望むならグランピングでもサーフィンでもどこにだって連れていきたい。
「じいさんたちが画策したせいで見合いさせられたような感じだったけど、俺は君と会社以外で繋がれてよかったと思ってる」
祖父が最初から彼女のことをいい子だ、やさしい子だ、と絶賛していたのが今ならよくわかる。ウソや打算がなく、心根が綺麗な女性だ。
俺の気持ちはどんどん加速する一方なのに、未だに彼女は俺と目が合うとすぐに逸らしてしまう。
そろそろちゃんと俺を見てほしい。その思いがあふれ出て、彼女の左腕に触れて顔を上げさせた。
「目を逸らすな」
うるうるとした大きな瞳に吸い込まれるように、顔を近づけて彼女の唇を奪う。
顔を真っ赤にしながら固まる彼女がかわいくて、愛しさで胸がいっぱいになった。こんな気持ちになったのは生まれて初めてだ。
その姿がまたこの上なくかわいくて、それだけでもこの車を買ってよかったと思える。
話しながら目的地に向けて高速道路を進んでいると、助手席に座る彼女がこちらをじっと凝視している気配を感じた。
男として俺を意識しているのかもしれない……そう考えたら当然心が躍った。
「私、自然を満喫するのが大好きなんです」
「俺も」
ミルで豆を挽いて香りのいいコーヒーを振る舞うと、彼女は屈託のない明るい笑みを見せた。
堤防のベンチに座っていたときと明らかに表情が違う。少しは元気になってくれたようだ。
彼女と好きなことを共有できて心からうれしく思う自分がいる。だから今日はただ出かけたというのではなく、俺の中ではふたりの“初デート”だ。
今日は俺ひとりで出かけるつもりだったから準備が整っていないけれど、釣りやバーベキューだけでなく、彼女が望むならグランピングでもサーフィンでもどこにだって連れていきたい。
「じいさんたちが画策したせいで見合いさせられたような感じだったけど、俺は君と会社以外で繋がれてよかったと思ってる」
祖父が最初から彼女のことをいい子だ、やさしい子だ、と絶賛していたのが今ならよくわかる。ウソや打算がなく、心根が綺麗な女性だ。
俺の気持ちはどんどん加速する一方なのに、未だに彼女は俺と目が合うとすぐに逸らしてしまう。
そろそろちゃんと俺を見てほしい。その思いがあふれ出て、彼女の左腕に触れて顔を上げさせた。
「目を逸らすな」
うるうるとした大きな瞳に吸い込まれるように、顔を近づけて彼女の唇を奪う。
顔を真っ赤にしながら固まる彼女がかわいくて、愛しさで胸がいっぱいになった。こんな気持ちになったのは生まれて初めてだ。



