「もちろん、いいよ」

「へへ、ありがとう」


安心したようにフワッと笑う南月。

きっと南月にとって、今この瞬間が全てなんだろうな。今、俺の隣を歩き、手を繋いで、二人で作る晩御ごはんの材料を買いに行く――それが南月の幸せなんだ。

一方の俺ときたら、晩ごはんが終わった先のことしか考えてない。

お風呂は?寝る部屋は?――考えてもキリがないことを、さっきから何度も何度も、頭の中をいったりきたりしてる。

改めて思うと、俺の頭の中は本当に南月に見せられない。南月が思っている以上に、俺は南月を好きで、意識してる。どんな時も「触りたい」って思う程に。

でも、相手は南月だから。

その辺は、俺も覚悟してる。

この可愛い幼馴染は、二人きりに発生するイベントを、端から順にこなしちゃう子なんだ。それも、無意識のうちに。

例えば――