「り……っ、お」

「黙って。今は――俺だけを感じてて」

「んん!」


甘いハグの後に、強引なキス。


本当に同じ人物かと思うほど、やってることが正反対で。


だけど目の前にいるのは、やっぱり理央しかいなくて――頭が混乱する。

それにプラスして、息が続かず涙目になる私。


そんな私を見て、理央はやっと、唇を離してくれた。


「はぁ、はぁ……っ」


浅い呼吸を続ける私を、理央は怒った顔で見た。

そして一言。

「南月のバカ」と、静かに怒った。


「どうして佐竹と二人きりになったの。それに、何をしようとしてた?秘密の、なに?」

「えと、そ、それは……」

「それに、なんで佐竹のことを下の名前で呼んでるの?前はそんな事なかったのに」

「り、理央。落ち着いて?」


ね?と半ばお願いする形で、理央を見上げる。

だけど、理央は「嫌だよ」と不機嫌のまま。