だけど、不安がる私に――理央は、いつもと同じく優しかった。


「南月、おいで」

「え、あ……うん」


両手を広げられると、つい寄って行ってしまう。

理央の腕の中にポスンと入り、ぬくもりに包まれた。


「へへ、理央あたたかい」

「……」


だけど――


「南月、顔を上げて?」

「え?んッ!?」


顔を上げた途端。

私の唇が、理央のそれによってふさがれる。


いきなりの事で訳が分からなくなった私は、理央の胸をドンドンと叩いた。


だけど、理央は全くいう事を聞いてくれない。ばかりか、私を更に強く抱きしめた。


さらには角度を変えて、私の唇を食わんとばかりにキスをする。