溺愛幼なじみは甘くて強引

「うん?」


何かの調査が始まった。

えと、私は何をすれば……。


うろたえていると、佐竹くんが「まずは」と自分を指さした。


「俺の事を名前で呼んでみて?あ、俺の下の名前わかる?」

「ぷっ!わかるに決まってるよ、太陽くん!」

「よし!これからは俺の事、そう呼んでね。

じゃあ、次!」

「え」


他人との距離の縮め方がえぐい佐竹くん……じゃなくて、太陽くん。


太陽くんはスゴイなぁ。こんな風に、さらっと異性と距離を縮めていけるんだね。


感服して「うんうん」頷いていると、太陽くんが両のてのひらを私に見せた。


「次は、俺と手を繋ぐ!」

「はい!」


ギュッ――今朝、理央と手を繋いだから、これは簡単!


登校中。皆にバレる前に、手を離した私達。

初めてにしては、長い間、手を繋げていたと思う。

なぜか理央は、すっごく汗かいてたけど……。


「……あのさ、森野」