「つまり、我を忘れて南月を襲うかもしれないから、付き合えないって事?」

「そう」

「ということは、南月が”理央くんに襲われる覚悟”が出来たら、二人は付き合えるってこと?」

「そうそう」


さすが真琴ちゃん!察しがいい!――

と褒めると、真琴ちゃんはポケットからハンカチを取り出した。


しずしずと泣く真似をしながら、目頭にハンカチをあてる。


「あんたら、生まれた頃からの幼馴染だってのに、そんな小学生みたいな恋愛をしてんの?」

「しょ、小学生って……」

「私なんて保育園の時から、好きな子にほっぺにチューをしていたというのに……」

「え!!!?」


やだ!真琴ちゃん!積極的すぎる!

だけど真琴ちゃんは、涼しい顔をして、しれっと言った。


「あんたがウブ過ぎなのよ、南月。理央くんは”待つ”とは言ったけど、あまり待たせてたら、愛想つかされるよ?」