「アリス、この前さ。太陽から逃げてる時に、俺に言ってくれたよね?」

「え……」


――私が好きなのは理央。理央だけ!


「あのアリスの言葉に、返事をするってわけじゃないけど……。アリスは、俺の事を慕ってくれているから。そして俺も、アリスの事が大事だから。

だから――俺たちが会っていなかった空白の時間について、お互い話そうよ」

「!」

「アリスがイギリスでどんな生活をしていたかを知りたいし、俺が小学校から今まで、どんな風に過ごしてきたかも聞いてほしい。

アリスのことを、もっと俺に教えて。

小学校の頃、良い思い出ばかりじゃなかったはずなのに。それでも、君は日本に戻ってきてくれた。俺は、アリスのその気持ちを知って、受け止めたいって思うから。

そして心から”おかえり”って。

そう言ってあげたいんだ」