「どうなっても、しらないからね」

「〜ッ、うん!」


ギュッと目を閉じて、唇に理央が来るのを待つ。

視覚がなくなると、一気に耳に集中しちゃって……


私に近づく理央の足音。
擦り切れる布の音。
そして、理央の息づかい。


全てがすべて、これから私に向かってくると思うと――

キスする前から、恥ずかしくて、逃げてしまいたくなる。


だけど、そんな事をした日には「こんなウブな南月と付き合うのは恐れ多いよ」とかなんとか言って、再び振られそうだし。


ここは何が何でも、キスに応える!


意気込み過ぎたのか、むにゅっと効果音がしそうなほど、唇に力を入れる私。

それを見たらしい理央が「ふふ」と笑った。


「可愛すぎて、本当――

南月の全部を食べちゃいたい」

「ん!?」


また物騒ワードが聞こえた!

けど、逃げない。逃げないからね、私!

さぁ来い!理央――!!


「……」


あれ?