「おや。珍しい組み合わせで帰ってんね~」

「本当だよね」


アリスちゃんと太陽くんという珍しい組み合わせで下校しているのを、私たちは目撃する。

友達になれたのかな?良かった――と思う私。

だけど、どうやら真実は違ったようで……。


「ねぇ真琴ちゃん、あの二人ケンカしてない?」

「おや。仲がいいねぇ~」

「じゃなくて、止めなきゃ!」


二人の鬼のような形相から一触即発の雰囲気を悟った私。素早くカバンを握って、真琴ちゃんに手を伸ばした。


「ほら、真琴ちゃんも!」

「いってら~」

「うぅ……!薄情者~!

理央に”先に帰る”って伝えといてねー!」

「はいよー」


いつまで経っても不動の真琴ちゃんを置いて、私はダッシュで二人の後を追いかけたのだった。