「え、あ……うん」


いつになく上の空だった理央が、私に気づいてベッドから降りた。

慎重にドアを開け、誰もいない事を確認した後、無事に保健室からの脱出に成功する。

そして私たちは無事に、午後からの授業に間に合うことが出来たのだった。


といっても。

私の頭の中にあるのは、理央の言葉。


――南月の笑顔を守る剣でいられるなら、俺にとって、それが一番だなって

――アイツは笑顔で、誰を守ってんだろうね


それらが何を意味するかサッパリ分からないまま。その日の授業が終わってしまう。

そして、放課後。


「ねぇ真琴ちゃん。あれって、アリスちゃんと太陽くん?」