なんだか理央の様子が変だと気づいたのは、保健室に着いてすぐのことだった。


「り、理央?どうしたの?」


なぜかベッドに押し倒されている私。

そして、私の腕を組み敷いて、真顔で私を見降ろす理央。


「理央……?」

「……」


何も返事がない。保健室に来るまでは、普通だと思ってたけど……。

教室を出て来た時に顔色が悪かったし、やっぱり調子が悪いんだろうな。


「理央、寝転ぶのは私じゃないよ?理央こそ横にならないと」

「……どうして、そんなに平常心なの?」

「へ?」

「今、俺に押し倒されてるんだよ?」

「あ……」


確かに。大好きな理央に押し倒されているのに、平常心の私。

普通なら顔を真っ赤にして抵抗しそうだけど……でも、今はそれどころじゃないよ。


「私は、ただ……理央の事が心配なんだよ」

「俺の事が心配?なんで?」