路地裏。それは暗くて、狭くて――誰にも見つからない可能性のある、怖い場所。


「ねぇねぇ、君たちって高校生~?」
「良かったら、この後あそぼうよ」


「……っ!」


なんで、こんなことになっているのか分からない。

お店を出た直後に、私とアリスちゃんは知らない男たちに囲まれて……。そして、私たちの姿を隠すように。狭い路地裏で私たちは気味の悪い男たちに、両サイドを固められた。

これ、マズイんじゃないの……?いや、マズイってどころじゃない。絶対に危険だ。

本能がガンガン警鐘を鳴らす中。私は震えて何も出来なかった。地面に根っこが生えたように動けず、ブルブルと震えるだけ。

だけど、アリスちゃんは違った。


「これから家に帰るの。退いてよ」


強い口調で。怯えてない、強気な態度で。男たちにハッキリと言い返していた。


「気の強い嬢ちゃんだなぁ。ってか君、外人?」

「だったら何?」

「だとすると余計に“イイ”なぁって思うわけぇ。俺らは」