私の申し出に、アリスちゃんは全否定。でも……やっぱり、一人にしておけないよ。昼の景色と夜の景色は違うっていうし、慣れない土地で迷ったら大変だし!


「それに、最近は物騒だし。アリスちゃんみたいな可愛い子は、悪い人に連れ去られちゃうよ」

「護身術を習得してるし、あんたに心配される筋合いはないもん」


フンと鼻を鳴らしたアリスちゃん。だけど、そのか細い肩に乗る――見知らぬ人の手。


「え、」
「誰?」


二人揃って、後ろを振り向く。

すると、そこには――


「そーそー。俺らみたいな悪い奴がいるかもしんないから。夜は早く帰らないとねぇ?」


薄気味悪い笑みを浮かべ、ニタリと笑った男たちが。

いつの間にか私たちを囲み、そして――

路地裏へと連れ去った。