チセは公園にいた。
 岩に「岩川公園」と彫り付けてある。
 人気はない。ここはいつも人がいない。だからチセは気に入っていた。
 「黒田さあん」
 高瀬君の声がした。
 「え」
 チセは振り向いた。
 高瀬君が来た。 
 「黒田さあん」
 「高瀬君」
 いつものさらさらの金髪ヘア。切れ長の大きい青い目。高い身長。