「いやあ、参ったわ」
 朝都、高瀬君、チセはびっくりした。え、女言葉?
 「私、ゲイなの」
 と、男はいった。
 「えええええええええええ」
 と、3人。
 「すっかりやられちゃったわ。あなた誰かと思ったら、思い出したわ。暴走族ユグドラシルの総長雷帝東条朝都ね」
 と、男はいった。
 「えええええええええええ」
 と、高瀬君。
 「あ」
 と、朝都は笑って片手を後頭部にやった。
 「私は、郷田つよしっていうの」
 「つよしさんかあ」
 と、朝都。
 「ええ」
 つよしは、立った。
 「なんかあったら、力になるわ」
 と、つよし。
 「ああ」
 と、朝都。
 「じゃあ」
 と、男はいった。
 「ああ」
 と、朝都。
 「さようなら」
 と、高瀬君。
 「さようなら」
 と、チセ。
 男は公園を出た。男は去っていった。
 朝都は高瀬君と、チセを向いた。
 「すごい、東条先輩は魔界ライダーの、地獄マスターだったんだ」
 と、高瀬君。
 「え」
 と、朝都。
 「た、高瀬君、何言ってるの?生徒会長、そんなこと言ってないじゃない」
 と、チセ。
 「ん」
 と、朝都。
 「あ、そうそう、俺、実は、魔界ライダーの地獄マスターだったんだ、ってことにしてくんないかなあ」
 と、朝都。
 「うん」
 と、高瀬君。
 「要するに、暴走族の総長だってことは内緒にしてくれと」
 と、チセ。
 「あ、さっすが、黒田さん、察しいいね」
 と、朝都は片手を後頭部にやった。
 「常識的に考えて、そういうことだと思う」
 と、チセ。
 「でもすごかったな、東条先輩のボルティック・スレイブは」
 と、高瀬君。
 「だろう」
 と、朝都。
 「奥義の名、当たってたんだ」
 と、チセ。
 「生徒会長のオーラ、目に見えるくらい具象化されてた」
 と、チセ。
 「ああ」
 と、朝都。
 「オーラかあ」
 と、高瀬君。
 「高瀬君はなんかあったかい光みたいなオーラだよ」
 と、チセ。
 「え、ほんと?」
 「うん。まるで、光の騎士みたい」
 と、チセ。
 「光の騎士いいいいいいいいい」
 と、高瀬君。
 「かっこいいなあ」
 と、高瀬君。
 「確かに、このもののオーラはちょっと違います」
 と、星子。
 「え」
 と、高瀬君。朝都の近くにテントウムシのようなものが飛んでいた。
 「テントウムシ、しゃべった!妖精だ!」
 と、高瀬君。
 「高瀬、お前も見えるのか」
 と、朝都。
 「うん。見えるよ。テントウムシの妖精が!」
 と、高瀬君。
 「違います。テントウムシではなく、テントウムシのような妖精でございます」
 と、星子。
 「やっぱりテントウムシの妖精だ」
 と、高瀬君。
 「いや、だから、違うって」
 「いいじゃないか、星子」
 と、朝都。
 「はあ」
 「初めまして」
 と、高瀬君がいった。
 「初めまして、(わたくし)星子と申します」
 「へえ、ラッキースターか、いい名前え」
 と、高瀬君。
 星子は唖然となった。
 「いや、何聞いてるの。星子さんっていうんだよ。一字もあってないじゃない」
 と、チセ。
 「ラッキースターかあ」
 と、高瀬君。
 「いや、だから」
 と、チセ。
 「いいじゃねえか。ラッキースターで」
 と、朝都。
 「ご主人さまあ」
 と、星子。
 「あははははは」
 と、朝都は笑った。
 「くすっ」
 チセも笑った。
 「あはははははは」
 と、高瀬君も笑った。
 「もお」
 と、星子。
 こうして、チセ、高瀬君は、朝都と星子とも友達になった。