朝都も男から離れた。
 「はあああああああああ」
 と、男はうなり声をあげた。と、瞬間男の周りをつむじ風が吹き荒れた。つむじ風は男の周りを旋回していた。
 「すごいオーラ」
 と、チセ。
 「え、黒田さん、オーラが見えるの?」
 「うん、オーラを感じたり見たりできる。この人が来る前も、なんか大きいオーラを感じた」
 「すごいや。やっぱ黒田さんはかっこいいなあ」
 「オーラがでかくなってく」
 と、朝都。
 「はいご主人様」
 と、星子。
 「こいつもできるんだ。オーラのコントロールを」
 男はこぶしをふりあげ、思いっきり地面にぶちあてた。つきが地面に入っていった。ドオオオオオオオオ。地面が割れ、土が舞い上がった。瞬間、クレーターができた。
 「すごい」
 と、高瀬君。
 男はクレーターの底から朝都に突進した。
 「うおおおおおおおおお」
 男は思い切りこぶしを振り上げ、朝都につきをいれた。しかし朝都は男がこぶしを朝都に入れた瞬間、消えた。
 「え」
 と、チセ。
 「き、きえた」
 と、高瀬君。
 朝都はクレーターの真ん中に現れた。男が振り向いた。
 「そういうことか」
 と、男。
 男は再び、朝都に向かって駆け、つきをいれた。朝都はよける。男は間髪を入れず、つきをいれる。朝都はよける。
 「ちょこまかよけてんじゃねえ」
 と、男。
 「うをおおおおおおおおおお」
 男はつきを連打した。朝都はかわしつづける。
 「すごいや。紙一重でよけてる」
 と、高瀬君。
 朝都が姿を消した。
 「消えた」
 と、高瀬君。
 朝都はクレーターの上のほうに現れていた。男が振り向いた。
 「ちょこまか、ちょこまか」
 朝都は右手のこぶしを握ってガッツポーズのような恰好をした。ばちっばちっ。朝都のこぶしに稲妻が走った。
 「なんだ、あれは」
 と、高瀬君。
 「すごい。オーラが一点に集中してる。オーラが具象化してる」
 と、チセ。
 「えええええええ」
 男が、朝都に向かって駆け上がった。
 「てめえ」
 男はこぶしを大きく振り上げ、思いっきり、つきを朝都に入れた。朝都は間髪を入れずよけた。
 「何」
 朝都はこぶしを広げた。ばちっばちっ。朝都の右手は稲妻がほとばしっている。朝都は右手を男の腹にやった。
 「あれは?」
 と、高瀬君。
 「伝説奥義、ボルティック・スレイブ!」
 高瀬君は叫んだ。
 ばちっばちっ。瞬間、男の体を稲妻が走った。
 「うおおおおおおおおおおおお」
 男は叫んだ。そうして前に倒れた。朝都は後ろに飛びのいた。ばたっ。