「友希……今日まで本当にありがとうね。 って言っても、まだまだお世話になるだろうけど」

「もちろんよ。 辛いことがあったら、なんでも言ってきなさい」


まるで私の母のような存在である友希。
友希にも、今までたくさん支えられてきた。

彼女がいたからこそ乗り越えられることもたくさんあったし、いつどんなときも、ありのままの私を受け入れてくれていた。
彼女がいるから、今の私がいる。


「なんでも言うよ。 あばあちゃんになっても、なんでも話すから」

「当たり前よ! 結婚したって、年取ったって、星七はずっと大切な存在」

「……っ、もう……式の前に泣かさないで」


ふと鏡越しに友希の顔を見てみると、彼女も半泣き状態だったことに気付く。

それがなんだかおかしくて、笑ってしまった。


「ほら、できたよ。 ヘアアレンジしたの、あの日以来だからめっちゃ練習しちゃった」

「友希、私のためにありがとう」


「いいのよ」と言いながら、ヘアスプレーを片付けている友希。

ヘアアレンジは、あのお母さんにウエディングドレス姿を見せたとき同様、友希にお願いした。 別に担当の人にお任せしてもよかったけれど、私が友希にして欲しかった。

またこの日のために練習してくれたようだ。