「あ、俺、彼氏じゃないです…」

「あら、そうだったんですか?」

弥生は恥ずかしそうに、でもどこか嬉しそうに少し俯いている。

「どう?」

上目遣いに俺を見て尋ねる。

「…似合ってると思う」

実際、選んだ時に想像した何倍も彼女に合っていた。

「これでお願いします」

相変わらず少し照れた様子で店員に言う弥生。

「よかったら、このまま着て帰られますか?」

「じゃあ着て帰ります」

そうして会計を済ませて俺たちは店を出た。