幸いなことに今日は週末。

学校がない。

俺はリビングにいる母親に話しかけた。

「母さん、服買って」

「この前買ったじゃない」

「じゃなくて、まともなやつ!人と会えるくらいの」

「…もしかして光樹、彼女?」

笑顔で尋ねてくる母親とは逆に俺は固まる。

それから顔が熱を帯びるのを感じた。

「やっぱりできたんでしょ、彼女」

「ちがっまだ」

「じゃあ好きな人か」

「っ…」

「ふうん、いいわよ、買いに行きましょ」

「…ありがとう」

未だ笑顔で俺を見る母親の視線を無視して俺は朝ごはんをかきこみ、出かける準備をした。