年下男子は天邪鬼

そして、その日の夜、
仕事が終わるとロビーで私服に
着替えた受付の子が緊張した面持ちで
俺を待っていた。

「お疲れ様。ごめん待たせてしまって」

俺は急いで彼女に駆け寄ると
俺を見るや否や
可愛い笑顔で迎えてくれた

「お疲れ様です!
全然待ってないですよ!
それに誘っていただいただけで
嬉しいんです」

そう言って満点の笑顔を向ける彼女に
何て可愛いくて良い子なんだと目を細めた。

彼女の名前は白石ゆり。

可愛い子揃いの受付嬢の中でも
今年入社したばかりの彼女は群を抜いて可愛いかった。名前さえ可愛い。

「何食べに行こうか?
白石さんの好きなものでいいよ?」

「それじゃあ、近くにリーズナブルで
とても美味しいイタリアンレストランが
あるんですけどいかがですか?」

「いいよ。じゃあそこにしよう」

そして、彼女に連れて来られたレストランは
いかにも女性が好みそうなお洒落な
レストランだった。

そして「美味しい~」
食べながら目を細める彼女は
「宮城さんの口に合いますか?」
心配そうに俺の様子を伺った。

「うん。美味しいよ」

俺は安心させるように微笑んでみせた。

俺の言葉を聞いて
彼女は「良かった~」と胸を撫で下ろしている。


味は彼女の言うとおり美味しい...

のだが、男の俺としては
この大きなお皿に
小さく綺麗に盛り付けられた料理に
少々物足りなさを感じていた。

出来ればもっとガッツリしたものを
食べたいけど彼女の前では
口が避けても言えない。