年下男子は天邪鬼

「そうだな...彼女の仕事してる姿に
惹かれたのかな...
いつもパソコンにかじりついて真剣に図案を練ってて俺が訪問してることすら気付かないくらい集中してるんだよ。
それに仕事しながらも、恥じらうことなく大きな口でパンやお菓子を食べてる姿も見ていて可愛いくて思わず毎回話し掛けたり差し入れしてしまうんだよな。」

安斉さんの恍惚とした表情に
これは本気なのだと確信する。

「今日、意を決して連絡先渡したんだ。
お土産にと渡した袋のなかに手紙を入れてたんだけど...」

「えっ...?」

俺はびっくりして安斉さんを見ると
不安げに肩を落としている。

「その様子ではまだ連絡来ないんですか?」

「まあ、仕事中だしな...
まだ手紙に気付いていないのかもしれないし」

きっとこんな優良物件、依子が手紙に気付いたら大喜びだろう。
めでたいはずなのに
なんだかザワザワと胸がざわつく。

「でも、あの人料理とかしないと
思いますよ...?」

そして、俺はいつの間にか依子の
ネガティブポイントを口走っていた。

「そんなことなんで知ってるんだよ?」

「いえ、昨日たまたま会ったときも
コンビニの弁当ぶら下げて帰ってましたし...」

言った後になんて自分は
なんて嫌な奴なんだと後悔する。

「ふ~ん...
まあ俺は料理好きだから
もし結婚したら
俺が料理作ればいいし」