「今すぐって...気が早すぎるわよ」

「だって依子、あまり待たせると安斎さんに浮気しそうだから」

大地は少し拗ねたように呟いた。

「う、浮気なんてしないわよっ」

「ほんとに?」

「絶対しないっ。だって私が好きなのは大地だからっ」
 
その瞬間、ギュッと苦しいくらいに大地の抱き締める腕が強まった。

「お前、可愛すぎっ」

私の肩に顔を埋める大地に「フフッ、照れてる?大地っ大好きだよ」私はからかうように言った。

すると大地はゆっくりと体を離して
「じゃあ、そんなに俺のこと大好きなら
朝までたっぷり付き合えよ?」
と、チュっと私の唇にキスをした。

私は大地の夜の絶倫ぶりを思い出して
顔が一気に青ざめる。

そして私の手を握ってアパートに向かって歩き出す大地に、私は明日の我が足腰の心配をしながらもその手をギュッと握り返す。

そして、きっとこの天邪鬼な年下の彼に振り回されるのだろうなと幸せに頬を緩めた。
              
   
            fin...