「ねぇ黒岩君」
「なに?」
「私、なりたくないんだ」
「?」
「黒岩くんの夢を邪魔する、存在には」
「……由乃」
「だからバドミントンの練習、頑張ってね」
私は笑ってみた。
黒岩くんにもっともっと好かれたくて。
とびきりの笑顔で、ニコニコって。
でも私の笑顔は、私と黒岩くんの関係を切り裂く呪いだったみたい。
私は口角を上げたまま、絶望し始めてしまった。
「……由乃、どうした?」
黒岩くんの心配声が、私の耳に届く。
でも私の体は、金縛りにあったように動かなくなってしまった。
表情筋が、すとんと勢いよく落ちてしまう。
これは一体……
どういうことなんだろう……
なぜ私の瞳には……
悪夢のような最悪の光景が、映っているんだろう……



