「ちょっと、ちょっと。由乃、どういうこと?」 私の隣に立つ茜ちゃんが、珍しく動揺した声を震わせている。 あれ? 生徒みんなが、私の方をじっーと見ているような…… 何? 何? 怖っ! なぜ私が、みんなから注目をされているの? ステージ上にいる黒岩くんまでもが、驚き顔で私を見つめているし…… って…… あれ? 黒岩くんの左手から、赤い糸が伸びているような…… その先端は……私の薬指に巻き付いているような…… ひやぁ! 本当に巻き付いてる! 赤い糸が! ちょうちょ結びで、キュキュッと。