椅子に座ったままの私。
いつの間にか黒岩くん檻の中に囚われてしまっている。
――愛おしい人を溺愛したい
そんな甘すぎる視線が、黒岩君の瞳からあふれていて。
どどど……どうしよう……
綺麗な瞳に吸い込まれたままの私は、椅子から立ち上がることさえできなくなってしまいました。
「俺は世界中の奴にわからせたいんだ。由乃は俺だけのものだって」
「……」
「俺の大事な宝物を、誰にも奪われないように」
「……」
「もちろん、クラスの奴らにも」
私に降り注ぐ、黒岩くんの切なそうな声。
なんて幸せなんだろう。
好きな人と気持ちが通じ合っている、この時間が。
「私も思ってるよ……他の人に取られたら嫌だなって……黒岩君が……」
幸せが、私の脳を溶かしているせいかな?
とぎれとぎれの弱々しい声しか、私の口からは吐き出せない。



