「部活を終えて帰ってきても、庭でラケットを振ってたりするし」
「でも黒岩くん、成績は学年トップ5にいつも入ってるよね?」
高1最後の期末テストなんて、学年3位だったような……
「授業中に完璧に覚えるようにしてるだけ。それ以外の時間を、勉強に使うのがもったいないから」
はぁ~~脱帽です。
それは天才のなぜる技です。
脳の完成度が、私と違いすぎます。
「由乃、ここを見て」
机に片手をつき、反対の手で机をトントンした黒岩くん。
机の書かれた文字を、私は瞳に映す。
――オリンピックで優勝する! 絶対に!
「これは、黒岩くんの夢?」
「由乃に初めて会った日に、俺が書いたんだ」
「そうなの?」
「あの日の俺さ、マジでテンションおかしくて。初めて恋に落ちたから、まぁしょうがないって言えばしょうがないけど」
「……」
「ガキながら本気で思ったんだよ。俺が世界一になったら、由乃は俺に惚れてくれるかもって」



