背もたれが、私の左腕の横にきている。
でもそんなことは、気にしてはいられない。
今から何が起こるか予想不能で、心臓が落ち着ついてくれないから。
黒岩くんは背もたれをクルっと回転させると、私を机の方に向かせた。
私は椅子に座ったまま、黒岩君の机をなでてみる。
「ここで毎日、黒岩くんは勉強をしてるんだね」
嬉しいな。
大好きな人のいつもいる場所に、私も座ることができて。
「勉強はほぼしてない」
「そうなの?」
「この机は、バドの練習日記とか戦略ノートを書くために使ってる」
「じゃあ、どこで勉強してるの?」
「学校で宿題は終わらせるし、家じゃ勉強なんてしないかな」
「えっ?」



