来てしまいました。
大好きな人のお部屋に。
「テキトーにくつろいでて。今、お菓子かなんか探してくるから」
「お構いなく」と私が微笑む前に、廊下に飛び出した黒岩くん。
部屋に一人きり。
ぽつりと取り残された私は、動揺を隠しきれない。
もしかして今が、心臓を休める最後のチャンス?
深呼吸しなきゃ。
リラックス、リラックス。
私はお部屋の中を歩いてみた。
8畳ほどの正方形のお部屋。
正面にはベランダにつながる大きな窓。
右の壁に沿うようにベッドが置いてあり、上には腰上の高さの窓がある。
私は左の壁にある、勉強机に目を止めた。
机の隅に写真盾が置いてある。



