あの…あのあの……
ちょっと待ってください。
今の話を整理するとですね……
毎週私がお弁当を買いに来るのを、黒岩くんが待っていてくれてたってこと?
毎回ムスっとした顔で、接客されてたから……
『今週も買いに来ちゃってごめんなさい。弟が絶対にここのお弁当が良いって言うんです。すぐ帰りますから』
って、心の中で懺悔してたのに。
そういえば……
レジでお釣りをもらう時、黒岩くんの指が触れてヒャッ!となる時があった。
トレイを使わない人なんだ。
ワイルドな性格なのかな?
そう思ってたけど……
私だけ特別だったの??
横に立つ黒岩くんを、見上げてみた。
「ハズイこと……暴露すんな……」
黒岩くんは口元に手を置き、恥ずかしそうに視線を逃がしている。
お母さんは黒岩くんの首に腕を回すと、私にニカっと微笑んだ。
「この子ね、誰にも頼らず強がりまくる、一匹オオカミなの。でもまぁ由乃ちゃんが甘えれば、柴犬くらいに素直になると思うから。由乃ちゃんの笑顔と愛で、潤を飼いならしてね」



