でもすぐに、私は恐ろしくなって顔を上げた。
だってだって……
「営・業・妨・害!」
明らかに怒っているような声が、私の耳に飛び込んできたから。
恐怖を瞳に宿しながら、見上げてみる。
そのこにはエプロン姿の美女がいて、黒岩くんの頭をごついている。
美人CAに、ちょっとだけ女総長を混ぜた感じ。
お店のスタッフさんだよね?
このお店に来るたびに見かけるし。
黒岩くんのお姉さんでもおかしくないかも。
そう思ったのに……
「母さん、俺の邪魔しないで!」
まるで反抗期の息子が、母親を毛嫌いするかのよう。
黒岩君は、美女を睨みつけているんだもん。
おおお……お母さん?!
私は心の中で、ムンクの叫びを再現してしまいました。



