さらっと、私の唇を奪った黒岩くん。


色っぽく、自分の唇に親指を押し当てている。



野獣っぽい目で


「由乃、もう一回、味合わせて」


そんなことを言うんだもん。



ごめんなさい!

キャパオーバーです!


……なんて言えない私は、ただただ固まっちゃった。




ひぃあ?!



私は、イエスなんて言ってないよ。

頷いてもいない。


それなのに……


黒岩くんは私の返事も待たず、今度はゆっくりゆっくり近づいてきた。